プリプレグという言葉をよく聞きますが、いったい何でしょうか?
“プリ”と聞くと英語の接頭語で“前に”とか“前もって”という意味です。“プレグ”は“詰め物”とか“差し込む”というような意味です。そう聞くと、なんとなく想像できますよね。
正確にはPre-impregnated だそうで、複合材料の世界では事前に強化繊維にマトリックスである樹脂を含浸させるという意味になります。これは複合材料の製品としては最終形態ではなく中間基材になりますね。
前置き長くなりましたが、今回は熱硬化性樹脂のプリプレグについて話を進めます。
まず、プリプレグの製造方法には、ホットメルト法とウェット法の2つがあります。
ホットメルト法は、樹脂を加熱加圧して繊維にしみ込ませる方法。一方、ウェット法は、樹脂を溶媒に溶解させた状態で繊維にしみ込ませてから、溶媒を除去する方法です。多くは、ホットメルト法で作られるようです。
なお、プリプレグは、半生素材のような感じで、ベトベトしています。お菓子で言うと、京都の生八つ橋でしょうか。そのため、プリプレグは出荷時や保管時には、互いにくっつかないよう片面あるいは両面に保護フィルムを貼りロール状にして出荷します。また、1液性の樹脂が含侵してあり室温でも徐々に硬化が進むため、保管期間を延ばすため、多くは冷凍保管されます。
プリプレグを使用する際は、ロールから必要量・必要形状に切出してから、フィルムをはがしながら積層していきます。積層後は、オートクレーブなどを使って加熱・加圧して、樹脂を硬化させて製品を完成します。生八つ橋を焼くと硬い八つ橋になるイメージですね。
プリプレグは、いわば半調理品という感じで、ちょっとだけ手を加えて完成させることができるので、まるで冷凍食品やレトルト食品の様で便利ですね。
悩みはドライクロスなどより高価なことと、保管期限があり、冷凍保管しないといけない事でしょうか。