建築物へのCFRPの適用

軽量で耐久性や耐腐食性があり、強度に優れた炭素繊維は、建築土木分野への利用も進んでいます。

建造物の補修・補強

橋梁などコンクリート構造物へ炭素繊維シートを貼ったり、巻いたりすることで耐震性や耐久性を高めることは、効率的な耐震補強技術として利用が広がっています。

対象物に炭素繊維シートを施工する際に、特別な機械や工具を必要とせずに工事をすることができ、容易に施工することができるというメリットがあります。

また、建築材料として炭素繊維強化プラスチックを利用する技術も世界各地で積極的に開発が進められています。

橋のケーブル

橋で斜めに紐が張ってある部分がありますね。この紐(ケーブル)はスチール製がほとんどなのですが、これにCFRPケーブルを利用しているものもあります。

スチール製と比較して、重量が1/5と軽量で、強度があり、耐疲労性、耐腐食性、寸法安定性があります。実際に、海洋付近などの腐食環境下で利用されている例があります。

建物の屋根

例として、体育館の屋根(ライトルーフ)を挙げます。ライトルーフに交換することで、屋根重量がコンクリート屋根の1/5と大幅に軽くなるので、既設の柱や梁を改修しなくても耐震性が改善されるというメリットがあります。

炭素繊維シートで柱や梁を改修することもできるね。

軽いので施工が容易で工期が短縮できたり、耐腐食性がありメンテナンス性に優れるといったメリットが挙げられます。また、耐火性のある樹脂を用いれば、耐火性も得られるので防火対策も可能となります。

体育館の他には、プールなどの柱があると困る広い空間が必要な建物にも用いられています。

鉄筋コンクリートを超える?!

鉄筋コンクリートは、19世紀に発明された建築資材です。コンクリートは圧縮力に強い反面、引張力には弱く、一度破壊されると強度を失います。

鉄はその逆で、引張強度が高い反面、圧縮によって座屈しやすく、容易には破断しない粘り強さ(靭性)を持ちます。

この両者を組み合わせることで、互いの弱点を補い合い、圧縮力・引張力ともに高く、多少の破壊でも崩壊しない強度が得られます。

現在の高度な建築物は鉄筋コンクリートの発明のおかげで造ることが可能となりました。

ただ、時間の経過とともに、コンクリート内部の水分で鉄が錆び、膨張してコンクリートが壊れるという問題があり、維持管理が大変で、保守メンテナンス費用がかかるという難点があります。

この内部からの劣化を解決する材料として、CFRP材料の開発が進んでいます。

鉄筋に代わるものとして、CFRPロッドという棒状のものが注目されていて、実際の修理で、モルタルを補強するものとして、使用されています。

他には、CFRP格子筋もコンクリート補強筋として用いられています。

CFRP格子筋は、CFRPを積層した平板を格子状に組んだもの(用途に合わせて平板ではない場合もあります。また、格子の組み方も様々です。)で、橋脚部の補強筋に用いられたり、CFRPの非磁性という特徴を生かして、リニアモーターカーのガイドウェイのコンクリート補強筋にも用いられています。

非磁性って何?

強磁性ではないってこと。反磁性体、常磁性体、反強磁性体ではないってこと。ウィキペディアより。

もっとわからなくなった。。。

このように、鉄筋コンクリートの鉄筋に代わるものとして、期待されています。

そういえば、昔は戦争中に鉄が不足したために代替材として、竹を使ったことがあり、竹筋コンクリートと言われるんだ。今でも鉄道橋に現役で使われているところもあるんだよ。

な、なんと、私の好物をそんなところに使うとは・・・

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